平和と観光ガイド 広島P2ウォーカー

被爆バイオリンの響き

広島で原爆の閃光を浴びた被爆バイオリンの音色を、平和への願いを込め、配信します。
ご覧いただくのは、2012年12月19日(水)、広島市中区、広島県民文化センターで東日本大震災被災地復興支援事業として開かれた「被爆ピアノ・被爆ヴァイオリン チャリティーコンサート」で演奏された中の一曲。広島交響楽団のコンサートマスターを務めるバイオリニスト・田野倉雅秋氏によるJ.S.バッハの「シャコンヌ(無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004より)」です。
演奏に使用されたバイオリンは、1900年頃、ロシアで製造されたとみられています。ロシア革命を逃れて家族と日本に亡命し、広島女学院(当時の広島女学校)で音楽を教えていたセルゲイ・パルチコフ氏(1893-1969)が所有していたもので、家族とともに原爆を体験しました。一家は、戦後、アメリカに移住しましたが、パルチコフ氏が亡くなった後、1986年に来広した娘のカレリアさんが、父のバイオリンを広島女学院に寄贈。学校の資料館に保管されましたが、広島女学院創立125周年にあたる2011年、楽器を修復しようという話が持ち上がり、イタリア クレモナ市在住のバイオリン製作者、マエストロ石井高氏が時間をかけて完全修復しました。
ロシア革命、原爆の惨禍をくぐりぬけ、数奇な運命をたどってよみがえった被爆バイオリンの音色をここにご紹介し、世界平和への思いを新たにするきっかけづくりに役立てればと願っています。